岡田幸子オフィシャルサイト

食養研究家の顔

養生食から見たチベット

日本では最近雑穀や古代米が、ミネラル、鉄分、カルシウム、食物繊維、の豊富な食品として見直されブームとなっていますが西寧のホテルでも、毎朝真っ黒な黒米のお粥がでました。ポリフェノールたっぷりの甘味も有り美味しいものです。

そして、又、豆腐を「紅麹菌」で、発酵させた、塩辛いチーズの味に似た真紅の食品「豆腐窯」は、ホテルや青海湖での昼食にもありましたが、私自身が「ハトムギ」を「紅麹」で発酵させて作った「ハトムギ紅麹」という強い抗炎症作用等、多様な機能性を持つ食品と開発しているので、大変興味深く、ここでの製造法等、教えて頂きたいと願っています。

チベット高原ではヤクや羊も高い山やなだらかな草原に放牧され、のびのびと薬草を食べて育てられています。そこから日本を眺める時、牛骨粉や成長ホルモンを食べさせられ「狂牛病」になる牛や、サシ(霜降り様の脂)を入れるために塩やミネラルを抜いた飼料で育てられた牛等、健康的とは言えない食糧事情が見えてきて、発展と共に失くした物の大きさを思わずにはいられませんでした。

20年位前何かの本で見た、尿診のタンカに興味を持ち続けていたので交流会にお誘いの有った時に、即参加のお返事をしましたが、脈診や、医学タンカ、薬谷等々、全てあまりにも繊細にして広大な蔵医学ですが、私は薬学の授業の際気づいた事があります。

薬草を採取する際、その場の水で洗い、近くの木か石(金属は不可)で叩き、少し汁を出して持ち帰り陰干しにしたものと、そのまま持ち帰り陰干しにしたものでは、前者は3倍効果が高いと教えて下さったのですが、理由をお尋ねしたところ、昔からの習慣ですからとのお答えでした。

私は自分なりに次の様な例を挙げて、その理由について考えてみました。

1.アンデスのジャガイモの保存法は、踏んで汁を出し、昼夜の温度差を利用して乾燥させると、非常にビタミンが増える。

2.ヒートショックという現象、納豆菌は100℃のお湯をかけると生命の危機を感じ、自分を守ろうとして発芽し、VK2等の有効成分を出す。

3.松は非常時用のマツカサを持っていて、山火事等で火が迫りショックを受けると子孫を残すために開いて種子を落とし発芽する。因みに山火事が無ければ何十年たってもこのマツカサは開かない。

4.鶏が老化し廃鶏にする時、3日間水だけ与え、飼料を与えずにおくと極めて良質、良成分の卵を産む。

最後の力を振り絞って、子孫を残そうとするのは、植物も動物も同じでしょうか…。

以上のことは蔵医学の薬草採取に於いても、石や木で叩かれて、死の危険を感じた植物が、自分を守ろうとして、何らかの有効成分を出し、薬効を増やすと考えても良いのではないでしょうか。

人も又、ほのぼの育った人はその良さが有りますが、困難を乗り越えた人には、信頼に足る魅力が有ります。蔵医学では、人はみな「病んでいる」とみなし、病は身体のどこかに潜伏していると考えると伺いました。

私は生を受けた時、すでにその内に「死」も共に生まれ育って行くのだと考えています。人は受け入れれば、限りある生命はより大切ないとおしい物と思えてきます。

私は「発芽ハトムギ・ヨモギ健康法」を開発して、アトピー、アレルギー、花粉症、ポリープ、糖尿病、子宮筋腫、肝臓、腎臓、貧血、等々種々沢山の方のご病気を治癒・改善させてまいりましたが、まず、大切なものは心身共に、「自分で自分を元気にする力」だと感じています。以来、何万人という、病める人、健康な人にお話を聞かせていただく機会を得ました。

一概には言えませんが、肝臓を病む人は肝臓の悪くなるような食事を好み、甲状腺が悪くなる方には共通の性格が有る様にも思いました。90歳にして赤みのあるつややかな頬の男性、何処から見ても中年にしか見えない83歳の女性、それぞれ長年継続している健康法をお持ちでした。

蔵医学でも、必ず原因が有って結果が有ると話してくださいました。原因は今作られています、まず、毎日の食を大切にしながら、自分の生や仕事が他の人には役立つことを喜びとして健康に留意して行きたいとと思います。

この会をお世話してくださった蔵・日の先生方や沢山の方々にクワゼンチー(有難う)とお礼申し上げ、ダシデレ(全てのことが良いことになる)をお祈りします。

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